大判例

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東京高等裁判所 昭和38年(ラ)461号 決定

競売手続を停止する旨の決定の正本が提出された場合は、競売手続が完結していない限り、裁判所は競売手続を停止すべきであり、本件においては、競落許可決定が確定し代金支払期日が指定されていたが、代金支払前に前記決定正本が提出されたので、裁判所は競売手続の進行を停止し、競落代金を受領すべきものでないものといわねばならない。そうでないと、競売手続を停止する決定のあつたことが無意義となり、代金支払前であれば債務者が競売申立の原因となつた債務を弁済して競売開始決定に対し異議の申立をなし競売手続を廃止せしめうることに比し、甚しく公平を欠くこととなるのである。従つて、停止決定に違反してなされた競落代金の納入はその効力を生じないものと解すべきであり、競落不動産の所有権は未だ競落人に移転しないものとなさゞるを得ない。もつとも、一旦競落代金が完納されれば、競落不動産の所有権は競落人に移転し、たとえ停止決定に違反して代金の納入がなされても、これを無効とすべからざるものとする見解もありうるが、前記理由に照らし当裁判所の採用しないところである。

(千種 脇屋 渡辺一)

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